『今年は海に入る』

私は地元の海に同化してもう、ここには居ない。プカプカと手足の力を抜いてただ惰性で浮かんでいる。右手の先にある娘の水着の端の感覚のみが引っかかっているだけで、それがなければ消えることが出来るのにと考える。「ちゃんと持っててよ」と楽しそうな金切り声が聞こえて我にかえる以外は、トロリと溶けて消える途中で、もう少しで消えることが出来るのにと考えてる時点でもう、消えることは出来ない。






長女と地元の海

20180802 ∞