『額装が難しい訳がない』

タイトルにはこう書いたが実際、額装は難しい。
本当に悩ましい。

普段、私は額屋の職人さんにお願いしているのだが、これがまた匠技!
口数少なく黙々と仕事をこなす額師匠。
私もちゃんと絵に合う額をイメージして訪ねていくのだが、師匠がさっと選び持ってきてくれる額装丁には敵わない。
水彩ドローイングなのでマットというのを敷く。
その際、絵が少し切れて構図が変わるので、それに伴い装丁も変わる。
額とマットの色、絵とのバランスもある。
すべて美しい。
額装にも狙いとタイミングが必要と教えてくれる。
「さすが」としか言い様がない。

では、何故このタイトルなのか?
此処からが説教。
何も考えずに展示を行っている輩が許せないからである。
少しは考えろ!
制作している人にはそんなに難しいわけではない。



「額装が難しい訳がない」

作品を生み出した子供と考えます。
その子を発表会に裸では行かせませんよね。(狙いがない限り)
その子には、その場所に相応しい格好をさせてあげますよね。

作品にそれが出来ていますか?
展示会場が変わっていても、展示方法が一緒だったりしませんか ?
その子(絵)が、その場所に一番似合う格好をしていますか ?

お風呂で裸は当たり前。
でも、国(場所)が変わると違うかもしれません。
そんな事、考えていますか?

その子が、その場所で、一番輝ける格好。
それがイメージできれば「額装が難しい訳がない」。

1998 ∞