『ガンダム始動!計画』

2000年ぐらいから考えている事がある。
お酒を飲むとよく話にしていたが、5,6年前からは仕事の場面でも話をする様になった。
「実際にそれが行われれば良いな」と考えるからだ。
最近では「日本がやらずにどこがやる」とまで考えている。
「オタク」話と思ったら大間違い、大まじめの「アート」話として聞いてほしい。
2006年『「富士山」は永遠ではない』の最後に書いた「日本の役割」としてのお話。


「ガンダム始動!計画」

近年、仕事で工業系の人に会うといつも聞く事
「巨大ロボットって、いつ動くの?」
帰ってくる答えは
「もう、技術的には作る事は出来るんじゃないかな?」
「じゃあ、なんでやらないの?」
「権利の問題とか、お金の問題とか、誰がやるかとか?」
「ぼーーけーーーがーーー!」

そんな事してるうちに、先にドイツが動かしちゃうよ。
「いいの?日本それでいいの?」

でもね、いつも思うことがある。
日本は、特別なすごい国だ。
いくら海外の企業が、先に巨大ロボットを動かしたとしても、どんなに有名になっていたとしても、日本は負けない。
何故なら、役割があるからだ。

「ガンダムが動きます」

この一言で、世界中のマスコミを呼ぶことができるだろう。
だから、日本が先にやるべきだ。
先に作って、世界に向けて言い放つ!

「20××年×月×日:ガンダム始動!」

お台場フジテレビの海を挟んだ反対側に、でっかい観客席を設ける。
空まで報道規制をかけて、正面からしかカメラを向けさせない。
その日その時刻が近づく。カウントダウンされる伝言掲示板。
「.....3、2、1、0!」
どこから来るのだと皆が静まりかえり固唾をのむ中、ゆっくりと遠くの海が動く。
海から、ガンダムが少しずつ姿を現すのだ。
(大歓声)
岸にたどり着いたガンダムは一度フジテレビの建物の陰に隠れる。
ガンダムは2台用意されている。
水中仕様と、陸上用、パイロットは2人必要だろう。
ガチョンガチョンと歩く音がして盛り上げた後、お台場フジテレビの建物にガンダムの手がかかる。
(観客大興奮)
少し間をあけて頭から登場。
(大歓声)
広場の真ん中まで、ゆっくりと歩いてくると、ライフルを上に向けて「ドキューン」
(カメラ、パシャパシャ!)
そして、ひざまずいて、なんと、コクピットが開く。
(唸るような悲鳴)
このパイロットは、役者/タレントではなく、自衛隊のパイロットでいてほしい。
パイロットが、コクピットから手に降り立ち、ヘルメットをとり、右手を高く上げる!
(黄色い悲鳴)
このパイロット役の方は、はじめて月に降り立ったニール・アームストロング船長の様に、世界に名前が残るだろう。


さて、この「ガンダム始動!計画」は、国家事業で行ない、自衛隊所属にしたい。
「特殊甲殻機動部隊」等、新規の部隊編成を作るべきだ。
工業の発展などの小さい名目は二の次として、「世界の平和維持」としての役割を持たせたい。

実際行う事業としては、ガンダムが下からはまる形の輸送機を制作。
(ヱヴァンゲリヲンの輸送機みたいに下から見ると、モビルスーツ全体が確認できる)
呼ばれれば何処にでも、世界中各国へ巡業する。
巡業で大きな都市を通過する際、わざと低空飛行する。
TVやラジオで通過時間を大きく報道、子供達は通過するガンダムを指差して叫び声を上げるだろう。
空港には、オタクから工業関係者、そして野次馬まで埋め尽くすに違いない。
輸送機から、ガンダムが外され、立ち上がり自走する様に、歓声が上がるだろう。

派遣されるのは、安全なところだけではない。
戦争しているところへ突然行くこともある。
撃ち合いをしているところで、いきなりガンダムがビルの隙間を横切ったら、どんな人間だって銃を打つのをやめて、眺めてしまうのではないだろうか?
そして、翻訳した色々な漫画本をばらまく。
「平和洗脳計画」だ。
世界には、戦争よりももっと面白い事や知らない事がたくさんあるということを教えてしまう。
恨みのスパイラルから、勇気を持って飛び出す人間だけでなく、逃げることで飛び出しても良いではないかということを教えてしまう。
殺し合いよりも、「ロボットに乗ってみたい」「漫画の続きが読みたい」という理由で、銃を置く人がでたらそれは、日本文化の勝利である。
それを提案するのは、日本のキャラクター達には最適なのかもしれない。
手を広げて「戦争はやめて!」のポーズをとったガンダムを前線に置いてきたりする。

この事業の為に、ガンダムは大量に生産される事になると考える。
そして、ザクやジム、さらに「パトレイバー」の様な実用的なオリジナルロボットも制作されるであろう。
そのうちに、世界中でロボット産業が発達。様々な未来が切り開かれる。
ロボット産業は、このようなかたちでスタートして欲しい。


子供の頃、大人に「ロボットっていつ動くの?」と聞くと「21世紀」と言われた。
もう21世紀。
空飛ぶ車はどこに飛んでいる?
ゴミを作るための焼却炉って何だ?
「ドラえもん」でもそんなとんちんかんな道具はでてこない。
こんな21世紀は、僕らはいらない!とはっきり言うべきだ!
戦争だっていらない、テロだっていらない。
空を飛ぶ車に見とれている時間は、恨みだって忘れてしまう。
そんなショッキングな出来事を「日本」は世界に提案し、実行する事を許されている国のひとつだと思う。
先に宇宙に行くのは許されないけれど、地球を平和にする役割は担うべきだ。

権利権利って馬鹿みたい!
権利を持ってないって、商品化出来ないだけだ!
発表出来ないだけだ!
作る事の権利は、誰も奪っちゃいない、いけない!
誰かが先に作ったものだって、今ここで作る権利はみんな持っているんだ!

ガンダムが現実で空を飛び、地を走るのと引き換えであれば権利なんてみんな捨てるでしょう?(無理か?)
夢とロマンが男の華!
ずっとそんなアホな日本人でいたい。

マッドサイエンティスト募集!
日本に集まれ!
ルールなんて無視だ!
ぶっ壊せ!


20100626 ∞