『サトリナ 悪の科学者』

「ハハハ、よくぞ来たな。世界を救わんとするヒーローよ」
「ええい!悪の科学者とはお前のことか!なんの為に、お前は人をさらうのだ!」
「フフフ、凡人が天才の私の話を理解できるかな?まあ良い。ここまで来たご褒美に少し話をしてやろう」
「ああん!馬鹿にするな!俺だって大学ぐらいは出ているんだぞ!」
「へへへ、私はな。月に行こうと思ってな。それも宇宙船に乗らずに生身のままさ」
「おおい!なんだって!?そんなことが可能なのか!」
「ヒヒヒ、まあ大学出の凡人には思いもよらない方法があるわけさ。そのためには人間の中に1グラムだけ存在する"サトリナ"という物質が1トン当たり必要なのさ」
「いいや、それで人をさらっていたのか!その"サトなんとか"を抜いてしまった人達が、ゾンビのようになっていたわけだな!」
「ホホホ、その通り。"サトリナ"を抜いた人は、自我を失ってしまうのさ」
「ななあ、なんてことを!お前、自分は天才だと言って事の重大さに気付いてないのか!」
「ンンン?何のことだ?人は無限に増える。材料にしても問題はあるまい?」
「いいや、ていうか。天才なんだよな?」
「ククク!ああ!私は天才だ!私にできないことはない!」
「じゃあ、その"サトリナ"を人工的に生み出すことは出来ないのか?」
「わたしに不可能は無いと言ったはずだ!」
「うん、だからさ」
「ん?」
「んー」

My dream’s my type.

20191224 ∞